2021年10月02日

里山という言葉

里山と生き物.jpg里山という言葉、今では、テレビで普通に使われていて、昔からあった言葉と思われている方が多いかもしれません。
 リサイクルや3Rという言葉も、ほぼ同じ時期のデビューです。2000年頃から私は、環境省の政策づくりのお手伝いをさせていただいておりましたが、二つの取り組みをほぼ同時に進めてきたという記憶があります。
一つが、プラスチックリサイクル(3R)の推進で、もう一つが、従来の自然保護とは異なる保全活用の取り組み、里地里山政策の創設です。
プラスチックリサイクルは、物質循環の推進で、「ポリリズム」という歌詞に載せて、公共広告として放映され話題になりました。3人組テクノポップユニットのPerfumeの「ポリリズム」です。この放送は、2007年で14年前のことです。
 
posted by nariwai at 04:19| 里地ネット

「里山と生き物」

田畑と家の暮らしを支える薪炭林や落ち葉堆肥の供給源であり、地域によっては田畑や暮らしを支える水源林として機能している人の暮らしの背後にある野や林と山です。
20世紀初頭には、身近な自然である里山を唯一の生存環境として暮らしてきた多様な生き物たちの生存環境であるという認識が高まり、手入れされた里山の機能を保全しなければ、生物多様性を保全することはできないという共通認識が得られました。

「里地」とは
1994年の国の環境基本計画に織り込まれた概念で、「山地自然地域」「里地自然地域」「平地自然地域」「沿岸海域」の中のひとつです。山地は人の営みがないところ、平地は、農林漁業がないところ、この中間としての「里地」は農林漁業が営まれ、人と自然が共生した暮らしが営まれてきた場所、ふるさとの原風景のような場所というように情緒的な概念で表現されてきました。
同時に、環境基本計画の中で、持続可能社会の可能性は「里地」にあるとした上で、この里地が存続しうるためには、食料と燃料が持続的に生産される地域内循環の仕組みが完結していなければならないと指摘しています。
 内藤正明(1996)は、里地には、食糧生産を担う「経済的機能」、生物多様性の保持や二酸化炭素の吸収源としての森林環境を保全する「環境保全機能」、人の心をいやす景観などが存在することによる「審美的機能」の3つの重要な機能を位置づけています。

里地ネットワークは、
環境省の新たな施策としての里地、その施策概念を明確にするためにも、現場での里地づくりが重要であり、その推進のために1998年3月里地ネットワークを設立しました。今から23年前のことです。当時38歳の私が、今、61歳ですから、23年という期間は、長いようでほんの一瞬のような気もします。しかし、大きく変わったのは、先人たちの知恵を受け継ぎ継承していた師達の幾人かが、今はもう語り合うことができないということです。
posted by nariwai at 04:17| 里地ネット

「20世紀初頭の里地里山」

 山の樹木は単一化し、雑木林は更新されず、野鳥や昆虫が飛びまわれていた野原や雑木林は激減し、山の棚田放置が進み、水路はコンクリート枠に変わり、農薬、化学肥料の空中散布により面的、複合的なダメージにより生物の生存環境は劣化し続けてきました。人々の暮らしの変化、現代文明は、生き物との共生の仕組を見落としたまま発展を続けています。

「童謡でうたわれた故郷(ふるさと)」
「里」という言葉は、かつての中国では、周代25家、漢・唐代100戸、明代110戸という集落の規模・単位を表していたようです。学研漢和大辞典では「縦横にきちんと区画した田畑。居住地」とされています。
日本における、里とは、童謡にうたわれたような故郷(ふるさと)「うさぎ追ひし彼の山、小鮒釣し彼の川、山は青き故郷、水は清き故郷」に象徴されるように、日本人の原風景の中の故郷は、ふる里です。
posted by nariwai at 04:15| 里地ネット