水を引き、田畑を耕し、家を建て、茅をふき、土を練り、絹や綿を紡ぎ、家畜を飼うという人々の暮らし。この日本人の原風景の暮らしの中に、私は、日本における自然共生思想、里山における循環のメカニズムがあったと思います。ほんのひと昔、私が生まれる直前の昭和30年頃まで、全国いたるところで世代を超えて営々と継承されてきた生活文化です。
この循環と共生の思想、里地里山のメカニズムは、今日ほぼ絶滅しました。
日本人の暮らしは、この自然循環の一員から離脱して、地球規模で水や食料、燃料の移動を行う新たなライフスタイルを構築しました。しかし、かつて私たちと共に暮らしてきた里地里山固有の生き物たちは、すっかり変わってしまった水の王国と雑木林の遷移の中で、絶滅に追い込まれています。人間以外の生き物たちにとって、人の暮らし方の変化は、自然環境=生存環境そのものの変化であり生存基盤の崩壊だったわけです。
2021年10月02日
「循環と共生の思想」
posted by nariwai at 04:13| 里地ネット
「森から野へとつながるパッチワーク」

田んぼの日当たりを良くするための周囲の林の刈り込みは、水田周辺に草地を生み出し、次第に雑木林へとつながる緩やかな植生の変化、多様性を生み出しています。雑木林の中でも、田畑の肥料づくりのために、落ち葉を集め堆肥が作られていました。クヌギ、コナラ、マツなどの薪炭利用、椎茸栽培も、農家が作り出した里山の林です。この林は、10年〜30年周期で伐採し活用されてきたために、樹齢の違うクヌギやコナラ林の美しいパッチワークが形成されていました。
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「ふるさとの風景」

posted by nariwai at 04:06| 里地ネット