2021年10月02日

佐渡島のトキの野生復帰プロジェクト

放鳥され棚田を舞うトキ.JPG話を里山に戻しますが、私と里山とのきっかけは、佐渡島のトキでした。1999年 中国からトキ2羽の贈呈を受け、日本初の飼育下での繁殖に成功しました。江戸時代には全国各地にいたトキですが、明治時代に狩猟により激減し、大正から昭和初期には、絶滅していたと思われていました。戦後、佐渡と能登でトキが発見され、1993年からは、佐渡トキ保護センターで繁殖活動が行われていました。
このトキを100羽に増やし、野生復帰させる環境省プロジェクトへの参加です。私の担当は、トキの住める佐渡島の環境再生ビジョンの策定とその実践です。
 何故トキは、佐渡島や能登半島で絶滅せず生息できたのか?その生息環境は、絶滅した地域とどのように異なるのか?トキの全鳥捕獲から27年間後の佐渡島に再びトキを放鳥してトキは、暮らしてゆけるのか? 餌は? 天敵は?ねぐらは? 
暗中模索の手探りの中で、一つだけ、直感で信じていたことは、メダカ、ドジョウ、ホタル、カブトムシ、クワガタ、そして、トキは、伝統的な農家の暮ら方、農家が作り上げてきた田んぼ、水路、ため池、竹林、桑畑、クヌギ林、採草地、放牧地などの環境を生息環境や採餌場所として利用していたということです。この農家が作り出した二次的な自然環境が、すなわち、里山です。
環境省と相談して、トキの野生復帰のための環境再生ビジョンとトキとの共生のルールを作りながら、小佐渡東部の集落を一つ一つ巡り、地元学調査とドジョウやホタルの住める棚田づくりを行ってきました。その棚田を含む里山には、きっと、トキも住めるはず、さまざまな身近な生き物たちの生息環境を再生することで、トキの住める環境づくりを行ないました。
 2008年、トキとの出会いから9年目にトキの試験放鳥が開始され、その後、幾多の苦難を乗り越えて現在400羽が、佐渡島で定着しています。
posted by nariwai at 04:21| 里地ネット