2021年10月02日

「里山と生き物」

田畑と家の暮らしを支える薪炭林や落ち葉堆肥の供給源であり、地域によっては田畑や暮らしを支える水源林として機能している人の暮らしの背後にある野や林と山です。
20世紀初頭には、身近な自然である里山を唯一の生存環境として暮らしてきた多様な生き物たちの生存環境であるという認識が高まり、手入れされた里山の機能を保全しなければ、生物多様性を保全することはできないという共通認識が得られました。

「里地」とは
1994年の国の環境基本計画に織り込まれた概念で、「山地自然地域」「里地自然地域」「平地自然地域」「沿岸海域」の中のひとつです。山地は人の営みがないところ、平地は、農林漁業がないところ、この中間としての「里地」は農林漁業が営まれ、人と自然が共生した暮らしが営まれてきた場所、ふるさとの原風景のような場所というように情緒的な概念で表現されてきました。
同時に、環境基本計画の中で、持続可能社会の可能性は「里地」にあるとした上で、この里地が存続しうるためには、食料と燃料が持続的に生産される地域内循環の仕組みが完結していなければならないと指摘しています。
 内藤正明(1996)は、里地には、食糧生産を担う「経済的機能」、生物多様性の保持や二酸化炭素の吸収源としての森林環境を保全する「環境保全機能」、人の心をいやす景観などが存在することによる「審美的機能」の3つの重要な機能を位置づけています。

里地ネットワークは、
環境省の新たな施策としての里地、その施策概念を明確にするためにも、現場での里地づくりが重要であり、その推進のために1998年3月里地ネットワークを設立しました。今から23年前のことです。当時38歳の私が、今、61歳ですから、23年という期間は、長いようでほんの一瞬のような気もします。しかし、大きく変わったのは、先人たちの知恵を受け継ぎ継承していた師達の幾人かが、今はもう語り合うことができないということです。
posted by nariwai at 04:17| 里地ネット