2021年10月02日

「循環と共生の思想」

 水を引き、田畑を耕し、家を建て、茅をふき、土を練り、絹や綿を紡ぎ、家畜を飼うという人々の暮らし。この日本人の原風景の暮らしの中に、私は、日本における自然共生思想、里山における循環のメカニズムがあったと思います。ほんのひと昔、私が生まれる直前の昭和30年頃まで、全国いたるところで世代を超えて営々と継承されてきた生活文化です。
この循環と共生の思想、里地里山のメカニズムは、今日ほぼ絶滅しました。
日本人の暮らしは、この自然循環の一員から離脱して、地球規模で水や食料、燃料の移動を行う新たなライフスタイルを構築しました。しかし、かつて私たちと共に暮らしてきた里地里山固有の生き物たちは、すっかり変わってしまった水の王国と雑木林の遷移の中で、絶滅に追い込まれています。人間以外の生き物たちにとって、人の暮らし方の変化は、自然環境=生存環境そのものの変化であり生存基盤の崩壊だったわけです。
posted by nariwai at 04:13| 里地ネット